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2011年10月12日 (水)

[才市] 「やるといえばいらんという」

 前回,“持っていないものを欲しがる一方,反面、持っているものを当たり前にして、ちっとも大切にしない”というコメントを頂きましたが,才市さんにはこんな話があります.

 江津市嘉久志《かくし》の小川仲造さん(明治45年没)は,近隣にも聞こえた有難い同行であった.あるとき才市さんが仲造さんを訪れたとき,あいにく仲造さんは留守であった.仲造さんの奥さんが才市さんの話し相手をしていろいろ話しているときに・・・才市さんは,「子供というものは,やるといえばいらんというし,無いものはほしがろうとし---」といったという.そのまま救うという大悲の親心を受けとろうともせず,もともと私の心の中にありもしない有難い心をほしがって有難くなりたいと思い,有難くならないことにあせりを覚える.子供の姿によせて自分自身を反省した言葉である・・・.
(藤谷, pp.218--219)

【補足】
 藤谷:藤谷法叡「才市さんの言行録」.『妙好人 才市さんの世界』(本願寺, 1981)所収.「・・・」は引用者(junk)による省略.なお,この「才市さんの言行録」は,断章風に才市さんの言行を集めたものですが,多くの項には最後に「・・・氏談」という注記がついています.しかし,上に紹介した項にはそれがありません.つまり,“当事者(仲造さんの奥さん,才市さん)から直接聞いたわけではないが,こういう話が伝わっている”ということでしょう.また,「 」内が才市さんの言葉で,そのあとの説明は藤谷氏のものであることが明らかです.細かなことですが,こういう綿密さというか,根拠を明示し,どこまでが伝聞で,どこまでが記述者の解釈かはっきりさせて書かれたものは安心して引用できますね.

字句訂正: (誤)仲蔵->(正)仲造.その他

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