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2014年6月20日 (金)

鍋島先生のご法話(顕彰会法要)

ええな
世界虚空がみなほとけ
わしもその中
なむあみだぶつ

 本年度の才市顕彰法要では,龍谷大学の鍋島直樹先生からご法話をいただきました.
 才市さんの口あいには「機法一体」と「虚空」という言葉がよく出てきますが,今回のご法話では,午前の部で主に「機法一体」について,午後の部で「虚空」について聞かせていただきました.
 才市さんの「機法一体」と「虚空」については,先にご紹介した源了圓師も論じておられますが,こちらは「機法一体」の方が中心ですので,「虚空」について詳しい話を聞かせていただいたのは今回が初めてでした.

 今回のお話で,虚空については,まず,仏教一般・親鸞聖人・大乗仏教においてどのような意味に使われているかを14項目に分けて検討された後,梅田謙敬が『龍樹の教義』の中で「虚空」をどのように捉えているか,そしてそれが才市さんの口あいの中にどう反映されているかを詳しく説明していただきました.その話全体を要約することは私の手に余りますので,代わりに,当日配られた詳細なレジュメから一節を書き抜いておきます.

 空の視座は,すべての存在を否定するのではない.空の視座は世界虚空の存在すべてを肯定的に見直し,かけがえのない意味をもった存在として再発見していくことである.
 こうした梅田謙敬の明示した仏教の視座が,才市に伝わり,「ええな 世界虚空がみなほとけ わしもその中 なむあみだぶつ」という詩となって表現されているのだろう
(当日のレジュメ, p.17)

 このあと,次の口あいが(他の口あいとともに)引用されています.

わしのよろこび こくうのごとく
こうくせかいも なむあみだぶつ
ここにわたしを すまいをさせて
くださるじひが なむあみだぶつ
(当日のレジュメ, p.18)

 私は「虚空」を“限りない広大無辺な広がり”のような感じに捉え,“なにものにも妨げられない”を,宇宙に遍在している(とされた)“エーテル”のよう存在と受け取っていました(理系のお里が知れますね^^;).しかし,それだけではなくて,「虚空」には,すべての万物を受け入れ許容して残すところがない”という意味があることを教えられました.
 もう一つ.虚空の意味の12番目で「無量の宝は交絡し,羅網は虚空に遍く」という『浄土論』の語句を引用され(当日のレジュメ, p.14),この「羅網」とは「インドラの網」のことで,その網の結び目には水晶の宝珠が縫い込まれていて,その一つ一つが他の一切の宝珠を映し込んでいる,つまり,他の宝珠の光を反射することによって光っていると同時に,その反射光で他の宝珠を照らして光らせている,と教えていただきました.
 この二つのことだけでも,冒頭に掲げた才市さんの口あいの味わいがずいぶん深まるように感じました(因みに,青空文庫に宮沢賢治の「インドラの網」が収めてあるようですね.未読でしたが,ごく短い短編のようなので,この後さっそく読んでみます ^_^).
 非常に凝縮したお話で,もっと時間をかけて詳しくお聞きしたいと思いました.レジュメの後半は「慈悲」でしたが,これについてはお話いただく時間はありませんでした.残念.

 以上,私の「如是我聞」です.

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コメント

ご紹介いただきありがとうございます。
あの日、講義していたら、本堂につばめが飛んできました。つばめも安楽にいられる場所、安心して逃げてこられる御堂なんですね。
本堂そのものが世界虚空。
虚空とは、その場にいることがゆるされていること。
「無量の宝は交絡し,羅網は虚空に遍く」
そうした互いが照り映える世界に、自分たちの小さな世界からしていきたいですね。
鍋島直樹

鍋島先生,コメントありがとうございました.今頃のお返事になり申し訳ありません.
先生に「インドラの網」を教えていただいた後,宮沢賢治の「インドラの網」を読みました.文学に疎い私は,クラーク・アシュトン・スミス(米国のマイナーポエットですが,日本では怪奇小説作家として知られています)の雰囲気に似てるなんて変な感想しか出ませんでした(^^;).

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